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Damone, L.*; Barbagallo, M.*; Mastromarco, M.*; Cosentino, L.*; 原田 秀郎; 木村 敦; n_TOF Collaboration*; 他152名*
Physical Review Letters, 121(4), p.042701_1 - 042701_7, 2018/07
被引用回数:50 パーセンタイル:91.96(Physics, Multidisciplinary)We report on the measurement of the Be(n,p)Li cross section from thermal to approximately 325 keV neutron energy, performed in the high-flux experimental area (EAR2) of the n_TOF facility at CERN. This reaction plays a key role in the lithium yield of the big bang nucleosynthesis (BBN) for standard cosmology. The only two previous time-of-flight measurements performed on this reaction did not cover the energy window of interest for BBN, and they showed a large discrepancy between each other. The measurement was performed with a Si telescope and a high-purity sample produced by implantation of a Be ion beam at the ISOLDE facility at CERN. While a significantly higher cross section is found at low energy, relative to current evaluations, in the region of BBN interest, the present results are consistent with the values inferred from the time-reversal Li(p,n)Be reaction, thus yielding only a relatively minor improvement on the so-called cosmological lithium problem. The relevance of these results on the near threshold neutron production in the p+Li reaction is also discussed.
Barbagallo, M.*; Andrzejewski, J.*; Mastromarco, M.*; Perkowski, J.*; Damone, L. A.*; Gawlik, A.*; 木村 敦; n_TOF Collaboration*; 他122名*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 887, p.27 - 33, 2018/04
被引用回数:13 パーセンタイル:79.66(Instruments & Instrumentation)Following the completion of the second neutron beam line and the related experimental area (EAR2) at the n_TOF spallation neutron source at CERN, several experiments were planned and performed. The high instantaneous neutron flux available in EAR2 allows to investigate neutron induced reactions with charged particles in the exit channel even employing targets made out of small amounts of short-lived radioactive isotopes. After the successful measurement of the Be(n,)cross section, the Be(n,p)Li reaction was studied in order to provide still missing cross section data of relevance for Big Bang Nucleosynthesis (BBN), in an attempt to find a solution to the cosmological Lithium abundance problem. This paper describes the experimental setup employed in such a measurement and its characterization.
Barbagallo, M.*; Colonna, N.*; Aberle, O.*; 原田 秀郎; 木村 敦; n_TOF Collaboration*; 他125名*
EPJ Web of Conferences, 146, p.01012_1 - 01012_4, 2017/09
被引用回数:1 パーセンタイル:61.21(Nuclear Science & Technology)The Cosmological Lithium Problem refers to the large discrepancy between the abundance of primordial Li predicted by the standard theory of Big Bang Nucleosynthesis and the value inferred from the so-called "Spite plateau" in halo stars. A possible explanation for this longstanding puzzle in Nuclear Astrophysics is related to the incorrect estimation of the destruction rate of Be, which is responsible for the production of 95% of primordial Lithium. While charged-particle induced reactions have mostly been ruled out, data on the Be(n,) and Be(n,p) reactions are scarce or completely missing, so that a large uncertainty still affects the abundance of Li predicted by the standard theory of Big Bang Nucleosynthesis. Both reactions have been measured at the n_TOF facility at CERN, providing for the first time data in a wide neutron energy range.
春日井 好己; 前川 藤夫; 池田 裕二郎; 竹内 浩
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(12), p.1048 - 1056, 2001/12
日本原子力研究所の核融合中性子源(FNS)を使って、13.4から14.9MeVのエネルギーの中性子に対する水銀の放射化断面積を測定した。測定した反応は、Hg(n, 2n)Hg, Hg(n, 2n)Hg, Hg(n, p)Au, Hg(n, p)Au, Hg(n, p)Au, Hg(n, p)Au, Hg(n, p)Au, Hg(n, 2n)Hg及びHg(n, p)Auである。Hg(n, p)AuとHg(n, p)Au反応については、初めての測定である。また、Hg(n, 2n)Hg, Hg(n, 2n)Hg, Hg(n, p)Au及びHg(n, p)Au反応については、初めて複数の中性子エネルギーにおいて測定を行った。今回の測定値と過去に報告された測定値及び最近の評価値とを比較した結果、いくつかの評価値については再評価が必要であることを明らかにした。
Manokhin, V. N.*; 小田野 直光; 長谷川 明
JAERI-Research 2001-013, 22 Pages, 2001/03
(n,np)反応断面積のしきいエネルギーが(n,2n)反応断面積のしきいエネルギーよりも低い偶々核について、(n,1p)反応と(n,np)反応の両者の断面積の励起関数を矛盾なく評価するアプローチについて論じた。(n,2n)及び(n,np)反応断面積の励起関数の最大値の決定においては、Manokhinの系統式を用いるとともに、(n,2n)及び(n,np)反応のしきいエネルギーの差の質量依存性も考慮した。(n,2n)及び(n,np)反応の励起関数の計算には、Manokhinの系統式によって与えられる規格化された励起関数を用いた。いくつかの核種に対する(n,2n)及び(n,np)反応断面積の評価を行い、本研究における手法が妥当であることを明らかにした。
金子 純一; 宇野 喜智; 西谷 健夫; 前川 藤夫; 田中 照也; 柴田 京成; 池田 裕二郎; 竹内 浩
Review of Scientific Instruments, 72(1), p.809 - 813, 2001/01
被引用回数:8 パーセンタイル:46.78(Instruments & Instrumentation)ITER用核計装開発の一環として、水の放射化を用いた核融合出力モニターの開発を行った。本核融合出力モニターは、14MeV中性子によって照射された水の中でO(n,p)N反応の結果発生するNからの6.1及び7.1MeV線を測定することで、DT中性子発生量、すなわち核融合出力をモニターするものであり、第一壁から生体遮蔽の外側まで張り巡らされたループ状の水配管と線検出器から構成される。本システムは金属箔放射化法と同等の絶対測定であると同時に、ある程度の時間分解能をもった連続測定が可能である。さらに検出感度安定性、DT中性子に対してのみ有感等の優れた特長を持つ。本研究では本システムの技術的成立性検証を目的とし、流速に村する線収量依存性並びに時間応答に関する実験を行った。その結果、プラズマ診断用途で要求される100msの時間分解能を十分に満たす50msの時間分解能を達成した。また中性子モニターの時間応答が乱流拡散モデルによって記述できることを明らかにした。さらに実験結果をもとにITER-FEATに本システムを設置した場合の検出感度を概算した結果、十分な感度をもったシステムを構築可能であることがわかった。
春日井 好己; 池田 裕二郎; 坂根 仁*
Nuclear Science and Engineering, 136(2), p.258 - 264, 2000/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)14MeV中性子に対するO(n,p)N反応の断面積を放射化法で測定した。DT中性子源としては原研FNSを使った。封入したO濃縮水をDT中性子場で照射し、その後半自動気送管で試料をGe検出器正面まで輸送し半減期4.7秒のNの放射能を測定した。測定結果は、14.90.1,14.40.1,13.70.1MeVの中性子エネルギーに対してそれぞれ235,114,7mbとなった。今回の測定によって、この反応断面積に対する14MeV付近の励起関数が初めて明らかになった。これによって核融合炉で冷却水として使われる水の放射化によるNの生成量を適切に評価することができた。
中川 庸雄; 千葉 敏; 大崎 敏郎*; 井頭 政之*
JAERI-Research 2000-002, p.93 - 0, 2000/02
天体核物理の分野での応用のために、評価済み核データライブラリーJENDL-3.2をもとに、中性子捕獲断面積、核分裂断面積、(n,p)反応断面積及び(n,)反応断面積のマックスウェル平均値を計算した。計算を行った温度(kT)の範囲は、1keVから1MeVである。結果を表で表す。特に中性子捕獲断面積については、ほかの著者による推奨値や最近の測定値との比較をし、軽い核種で大きな差が見つかった。JENDL-3.2は最近の測定データと比較的良く一致しており、軽い核種の領域ではほかの推奨値よりも優れている。
今野 力; 前川 藤夫; 和田 政行*; 小迫 和明*
Fusion Technology, 34(3), p.1013 - 1017, 1998/11
原研FNSで実施した鉄ベンチマーク実験の解析をJENDL Fusion File,FENDL/E-1.1,EFF-3.0ライブラリーを用いてDORTコードで行い、10MeV以上の中性子束の体系深部での大きな過小評価の原因を検討した。その結果、FENDL/E-1.1,JENDL Fusion Fileの鉄のデータのうち15MeV付近の弾性散乱の角度分布を最も前方の強いEFF-3.0のFeのデータと置き換えたライブラリーを用いると、10MeV以上の中性子束の体系深部での過小評価が大幅に改善されることがわかった。また、FENDL/E-1.1の鉄のデータと比べ、15MeV付近でJENDL Fusion fileの(n,2n),(n,np)反応断面積はそれぞれ9%、28%過大、EFF-3.0の非弾性散乱断面積では5%過小で、これらも10MeV以上の中性子束の体系深部での過小評価の要因であることを明らかにした。
B.Ye*; 春日井 好己; 池田 裕二郎
JAERI-Research 97-082, 47 Pages, 1997/11
14.9MeV中性子によって物質からの弾き出される放射性核種のスパッタリング率(弾き出し率)を(n,2n),(n,),(n,p),(n,np)反応を含む57反応について測定した。中性子照射には、DT中性子源である原研FNSを使った。捕集膜の放射能から、スパッタリング率を算出した。今回の測定値は、文献値または理論計算値と比較した。また、それぞれの反応について、換算スパッタリング率(RS)の系統性を調べ、RSは標的核の原子数(Z)を関数とする簡単な経験式RS=Z(aとbは定数)で表すことができることを明らかにした。
Y.M.Verzilov*; 前川 藤夫; 大山 幸夫; 池田 裕二郎
Fusion Engineering and Design, 37(1), p.95 - 105, 1997/00
被引用回数:6 パーセンタイル:47.96(Nuclear Science & Technology)原研FNSのD-T中性子源を用い、S(n,p)P及びCl(n,)P反応の断面積を13.3-14.9MeVのエネルギー範囲で測定した。照射試料を水に溶かし、Pの崩壊に伴うチェレンコフ光を測定してPの放射化量を求め、これからNb(n,2n)Nb反応断面積に規格化した断面積を導出した。また、14MeV以下におけるこれら2つの断面積の積分テストを目的として、ベリリウム体系中に設けた5つの異なる中性子場において反応率を測定した。これらの反応率を4つの放射化断面積ライブラリ(JENDL Activation File,ADL-3T,EAF-3.1,FENDL/A-1.0)を用いた計算値と比べ、各ライブラリの断面積データの妥当性を調べた。
高田 弘; 明午 伸一郎; 佐々 敏信; 深堀 智生; V.I.Belyakov-Bodin*; G.I.Krupny*; Yu.E.Titarenko*
Proc. of 4th Int. Information Exchange Meeting on Actinide and Fission Product Partitioning and Transm, 0, p.323 - 333, 1997/00
0.8及び1.2GeV陽子を直径20cm、長さ60cmの厚いタングステンターゲットに入射した場合のターゲット円筒側面における種々の放射化検出器の反応率分布について、加速器によるTRU消滅処理システムの核設計に用いられるNMTC/JAERI-MCNP-4Aコードシステムを用いて解析計算を行い、実験結果と比較した。両方の入射エネルギーに共通して、主に10MeV以下の中性子検出反応S(n,p)P、Al(n,p)Mgについて、計算結果と実験結果は10~15%の差の範囲で一致し、コードシステムの現在の予測精度は妥当なものであることが判った。しかし、10100MeVの中性子検出反応Al(n,)Na Bi(n,xn)について、計算結果は実験結果に対して30~50%低いことが判った。この不一致はNMTC/JAERIコードが中性子生成を低く評価することに起因すると考えられるため核反応及び粒子輸送過程の計算モデルについて、今後さらに改良する必要がある。
春日井 好己; 池田 裕二郎; 山本 洋*; 河出 清*
Annals of Nuclear Energy, 23(18), p.1429 - 1444, 1996/00
被引用回数:24 パーセンタイル:86.7(Nuclear Science & Technology)13.3から15.0MeVにおける(n,p)反応の励起関数の系統性を調べ、質量数が18から188までの標的核について、14.0MeVでの断面積および傾きを表す経験式を提案した。式の導出には、原研FNS及び名大グループが系統的に測定したデータを用いた。14.0MeVでの断面積についての本経験式は、過去に提案された標的核の質量数が18から188までを対象とした式の中で最も精度の高い結果を与えた。励起関数の傾きの系統性については本研究が初めての試みである。本研究により励起関数の相対的な傾きが標的核の非対称度、反応のしきい値及びクーロン障壁に依存することが明らかになった。経験式を用いて求めた推定値と測定値を比較すると、70%の測定値が20%の精度で推定値と一致し、推定値は十分な精度であることが示された。
D.L.Smith*; 池田 裕二郎; 宇野 喜智; 前川 藤夫
Proc. of 9th Int. Symp. on Reactor Dosimetry, 0, p.138 - 145, 1996/00
高速中性子照射した水の中には主としてO(n,p)反応によりNが生成され、Nは半減期7.3秒で崩壊し6.1MeVの線を放出する。既知の反応断面積からその線の測定により中性子場の強度をモニターできる。また、感度の異なる反応を有する元素を水に溶解することで広範囲の中性子束モニターが可能である。概念の妥当性をD-T中性子源FNSを用いて実験的に確かめた。水循環ループの一端をD-T中性子源の前面に設置し、中性子源から30mの地点で循環流から放出される線を測定した。純水にYClを溶解し、O(n,p)Nに加えてY(n,n')Y及びCl(n,p)S反応も測定した。流速・流量、距離を用い中性子源強度を導出した結果、既存のモニターの値と誤差の範囲で一致した。本実験により、循環流体ドシメトリー法は、ITER等のD-T燃焼核融合実験装置の中性子発生モニターのみならず任意の高速中性子場ドシメトリーに有効であることが示された。
池田 裕二郎; 今野 力; 前川 洋
Nuclear Science and Engineering, 116, p.19 - 27, 1994/01
被引用回数:6 パーセンタイル:52.28(Nuclear Science & Technology)14MeV中性子1次反応で放出される荷電粒子が引き起こす連続的反応過程が長寿命放射性核を生成する場合が有り、核融合炉の誘導放射能評価においてその概念の重要性が指摘されている。実験による概念の妥当性を検証するために、D-T中性子で照射された鉄、銅及びチタンの(n,xp)反応による放出陽子が誘導する(p,n)連続反応に着目し、各々Co,Zn及びVの生成断面積を初めて測定した。実験値は各々4.5,8.9及び2.8bとなり1次中性子反応断面積に比べ3桁以上小さい値である。実験値の妥当性を評価するために反応過程を考慮した推定計算を行った。その結果、Coでは20%過大評価、Znは40%、Vは4倍各々実験値を過少評価している。結論として、推定計算に用いたデータの不確定性及び近似を考慮する限り、妥当な範囲の値であり、荷電粒子誘導連続反応の概念を実験的に検証したものと言える。
春日井 好己*; 山本 洋*; 河出 清*; 池田 裕二郎; 宇野 喜智; 前川 洋
Proc., Int. Conf. on Nuclear Data for Science and Technology,Vol. 2, 0, p.935 - 937, 1994/00
14MeV付近の中性子による放射化断面積は数多く報告されているが、短寿命核生成反応断面積のデータは量、精度共に不十分である。データの充足要求に応えるために、Ti,Fe,Zn,Ge,Ga,Sr,Zr,Baを標的として、半減期が18秒から29分の短寿命核を生成する15反応の断面積を13.4から14.9MeVの範囲で測定した。中性子は、原研FNSを用いて、T(d,n)He反応で発生させた。試料を0゜、45゜、70゜、95゜、120゜、155゜の角度で照射して13.4MeVから14.9MeVの中性子エネルギー領域を確保した。照射位置での中性子束は210n/cm/s程度であった。8本の気送管を使い試料を照射位置に移送した。断面積は、Al(n,p)Zn,Zr(n,np)Y,Sn(n,np)In及びBa(n,p)Csのデータは今回初めて測定できた。
今野 力; 池田 裕二郎; 大石 晃嗣*; 河出 清*; 山本 洋*; 前川 洋
JAERI 1329, 105 Pages, 1993/10
1984年以来,FNSの強力中性子源を用い、13.3から14.9MeVの中性子エネルギーに対する放射化断面積の系統的な測定が行われている。本論文は、1988年から1990年にかけて測定された放射化断面積のデータをまとめたものであり、24元素を対象とし、(n,2n),(n,n),(n,p)及び(n,)反応に関し、合計89反応断面積データを含んでいる。このうち、9反応の断面積は今回初めて測定されたものである。これまで1点の測定データしかない14の反応についても、広いエネルギー範囲で精度の良いデータが得られた。実験手法及びデータ処理の方法については、前回の報告書の時とほぼ同様である。今回測定された実験値は、文献値及びJENDL-3やENDF/B-V,-VIの評価値と比較検討された。また、FNSだけの測定値を基にして、(n,2n),(n,p),(n,np)及び(n,)反応のシステマティックスについても概観した。
山岸 功; 久保田 益充; 関根 勉*; 吉原 賢二*
Radiochimica Acta, 63, p.33 - 36, 1993/00
核分裂中性子によって引き起こされるTcの核反応の積分断面積を測定した。Tcターゲットは、NHTcO溶液をろ紙あるいは石英管上で乾固させて調製した。これらのターゲットを、原研の4号炉において20分間照射した後、生成した放射能をGe検出器で定量した。その結果、照射後のろ紙状ターゲットの線スペクトルに、Tc,Re,Reのピークが検出された。これらの核種の放射能は、Tcターゲット量に比例して増加した。購入したTc原液中のRe濃度は、Tcの8.6310に達することがわかった。石英管状ターゲットについては、硝酸に溶解後Moを抽出分離した。有機相の線スペクトル上には、Moの他にNbのピークがはっきりと認められた。
鈴木 雅秀; 菱沼 章道; 山ノ内 直次*; 田村 学*; A.F.Rowcliffe*
Journal of Nuclear Materials, 191-194, p.1056 - 1059, 1992/00
被引用回数:4 パーセンタイル:41.92(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉環境下では、フェライト鋼において水素が(n,p)反応より約30atppm/dpa生成する。Fe同位元素を用いると、核分裂炉でもFeの(n,p)反応により水素生成を模擬することができる。しかしながらFeは通常大量には入手できず(~数gオーダ)、これを用いて鉄鋼材料を造ることは非常に困難である。ここでは、数gのFeを用いて、通常溶解の組成、組織と同等なフェライト鋼を作製する技術を確立した。作製されたフェライト鋼は8Cr-2WVTa鋼の低放射化鋼(F-82H)であり、Feの96%がFeで構成される。HFIRの照射により~20atppm/dpaの生成速度で水素を照射中に生じ、フェライト鋼の水素効果を調べることが可能となった。
音在 清輝*; 関根 俊明; 荒川 隆一*; 畑 健太郎; 斎藤 直*; 馬場 宏
Z.Phys.,A, 311, p.303 - 309, 1983/00
ダイニュートロンn(2個の中性子が原子核的に結合した系)の存在の有無を放射化学的な手法によって研究した。Be(n,)He反応によって生じるHeの第一励起状態Heが2個の中性子を同時に放出して崩壊する時にnが生成することを期待し、原子炉の速中性子でBeを照射した。nの生成を確認するには、同時にAlを照射し、Al(n,p)Mg反応によって生成するMgを検出する、という方法を採用した。BeとAlとを離して照射した場合には検出されたMg放射能は副反応Al{(n,p)(n,)+(n,)(n,p)}Mg反応による放射能より強くなかったが、BeとAlの合金を照射した場合にはその数倍強かった。前者の実験からはnの生成は10回の中性子2個の同時放出につき1回以下という結論が得られた。一方、後者の実験において見出されたMgは必ずしもnによって誘起されたとは言えず、Be(n,)He,Al(He,p)Mg反応によって生成した可能性が強く、nの存在は確認できなかった。